「あっ、俺ちょっと用事思い出したから、律先に行ってて?…あかね、ちょっと良いか?」 「何よ」 「ちょっと手伝って欲しいんだよ」 「……分かったわ。律、先へ行ってて?」 「あぁ」 不思議そうに思いながらも、律は今度こそ1人で花菜の教室へと向かった。 放課後と言うこともあり、廊下にはあまり人がいなかった。 そのため、何時もであれば律が通れば人集りができる廊下も、今はそれがなく、静かに花菜の教室まで辿り着くことができたのであった。 花菜の教室のドアは空いており、中から声が聞こえてきた。