「珍しいな…。お前がココに俺を連れて来るだなんて…」









第二保健室は律の唯一落ち着ける場所。
その場所の存在を、隼大やあかねは勿論知っていた。
だが、今まで隼大をこの場所に連れてきたのは、片手くらいの回数もあれば良い方であり、律の珍しい行動に隼大は驚いていた。









「…この後、柚とここで会う約束してるから…」

「そう。…で?俺を連れてきたのは一体、何の用だよ」

「………」

「…おい、律?」

「…わからないんだ」

「わからないって…何が?」

「柚姫といると、自分が自分でなくなる。それに最近は、柚と別れると、心にぽっかりと穴があいたような気持ちになるんだ」

「へぇー…。それで?」

「ずっと一緒に居たいとも思うし、この腕の中に閉じ込めておければいいと感じることがある」

「ふーん」

「なぁ、俺…何かの病気なのか?」

「…は?」








律がそう言うと、隼大は驚いていた。
そんな隼大の様子に、律は眉間に皺を寄せていた。