――ゴンドラに乗って数分。ゴンドラ内には静かな空気が流れていた。




 やばい、緊張する。


 好きな人がこんなにも近い。



 手を伸ばせば、眞田くんの大きな手に届いちゃう…。





 ドキドキが、自分にまで聴こえてくる。


 それほど、眞田くんを目の前にして緊張していた。






「あ、あああのさ眞田くん!」



「……」



「…眞田くん?」



「え、あ、なに?」





 ボーッとしてたのかな?それとも……







「茜のこと、気になる?」







 それを聞くのに、緊張は一切しなかった。けど、逆に胸が締め付けられた。