ホッと肩をおろす矢崎を見て、私は目を丸くした。 矢崎は、私のことだけを考えてくれてたの? 私のことを、心配してくれたの? …もう、バカ。 どうしてそんなに優しいのよ。 「私は、元気。見てわかるでしょ」 心配してくれてありがとう。 そう言いたいのに、全く違う言葉が口から出た。 素直じゃないな、私。 「はは、そうだな」 そういえば、今、二人きりなんだ。 結月と遥陽。私と矢崎。 こんな狭い空間に、こんな短い距離に 私の“彼氏”がいる――。