「観覧車、乗ろっか」
私は、今いる場所からでも見える大きな観覧車を背景にして言った。
「――お次のお客様どうぞ~」
従業員が私たち四人をゴンドラの扉を開けながら招く。
結月がソワソワしながら一番最初にゴンドラに乗り、次に遥陽が乗った。
「俺らも行くぞ」
矢崎が私の手を握って引っ張りながらゴンドラへ向かおうとする。
「ちょ、ちょっと待って!」
けど私は、足を踏ん張って矢崎の動きを止めさせる。
「え、ちょ、お前ら早く乗れよ」
遥陽が私たちを見ながら言う。
「結月、頑張れ!」
私はあえて遥陽の言葉を無視し、結月にエールを送った。



