――気がつけば、遊園地内のアトラクションをほとんど乗りつくしていた。
「あとは……」
遥陽がマップを広げて、乗っていないアトラクションを探す。
「…これ、じゃない?」
結月が赤くなった頬で、あるアトラクションを指差した。
「観覧車か…。そういえば乗ってなかったな」
矢崎が独り言のように呟いた。
結月の真っ赤な頬を見て、私は一瞬でわかった。
―きっと結月は観覧車で遥陽に告白する、と。
差した指が、微妙に震えていたし
遥陽の目が観覧車に向けられているとき、結月はずっと遥陽のことだけを見ていた。
ホント鈍感だなぁ、遥陽は。
こんなにも結月が熱い視線を送っているのに気づかないなんて。
鈍感というか、バカというか。
心配だな…。結月が「好き」って言っても、恋愛感情かどうか気づかなさそうで。



