――試合後の帰り道、途中で矢崎と別れ家へと向かう私。




 モヤモヤする…。


 心の中が、気持ち悪いくらいモヤモヤしてる。



 嫉妬?誰に?…遥陽に?





 ありえない。

 だってもう恋心は、心の奥。



 嫉妬なんて…するはずないのに。






「あ、茜!」



「え?…あぁ、遥陽か。歩くの早いね」






 後ろから声をかけられ、私が振り向くとそこには遥陽がいた。


 私と矢崎のほうが先に歩いてたのに、追いつかれちゃった。




 モヤモヤがスーッと、消えていく感じがした。







「なあ」






 いきなり声質が変わった遥陽に、ドキッとした。