「私の心配なんかより、教えて欲しいことがあるんだけど」 好きって気持ちがバレないように、 今度はさらに奥にこの感情を沈めて、南京錠でもかけてしまおうか。 「遥陽のこと、知りたいの」 カチャ―。 今、また鍵をかけた音が聞こえた。 「一番聞きたいのはね、……好きな人いるかどうか」 笑顔で聞いた。それも最高の。 あぁ、今私の心はズタボロだ。 「は!?」 一瞬、顔を赤くさせ驚く遥陽。 「……いる、けど…」 「え、誰!?」 「言うかよっ」 ですよねー。 …でも、好きな人いたんだ。ふーん。