その言葉を聞いて、私は目を丸くする。


 私の幼馴染なんて…一人しかいない……。




「眞田くん…のことが、好き…なんだ」




 オレンジ色の光と結月の赤い顔が重なって、さらに赤く見える。

 その姿が、どうしようもなく可愛くて…私は言葉を失った。


 ううん、結月の可愛さだけじゃない。

 私の心が痛くて……言葉を、失ったんだ。




 どうして、…どうして結月も――――




「……そ、そうなんだ。応援…するね」


「ホント!?ありがとぉ。
 実は、あたし…茜も眞田くんのこと好きなんじゃないかって思ってて…」


「そんなはずないじゃん。ただの幼馴染なの、私たちは」



 なにも気にしてません、って顔で私は平然とした顔でペラペラと思ってもないことを言う。

 こんなにも、胸が苦しくて…今にも泣いてしまいそうなのに…。





 眞田 遥陽【サナダ ハルヒ】は、私の幼馴染で中学の頃からモテていた。

 軽くワックスをつけたさらっとした黒髪で、優しくて、しかもサッカー部部長候補とまで言われるほどのサッカーの実力の持ち主。

 周りは「爽やか系イケメン」だなんて言って、キャーキャー騒いでる。


 家が真向かいにあることもあって、親同士が仲が良く、幼い頃から私と遥陽は一緒によく遊んでいた。

 ――…だから、かな?



 気づいたときには、好きになってた。