まったく結月ったら。


 なにが「フフッ」よ。




「今すぐ行くから待っててー」




 私はそう言って電話を切った。


 さてと。行きますか。




 窓を閉め、私は出かける支度をした。






 家を出るとき、視界に入ったのはあの――花びらとアルバムと恋について書いたあの紙。



 私はフッと小さく微笑んでから、「いってきます」と言って家を出た。






 今ならはっきりと言える。


 これは最高のハッピーエンドだって。



 そして想う。


 これからも幸せであり続けたいと。






 温かい風が髪をさらい、桜の花びらがその風にのり空高く舞い上がる。


 小さな一歩を踏みしめながら、私は前を見つめて歩き続ける。



 私の心の中には、今も残ってる。


 あの時感じた、青春の光が。そして、純愛の欠片たちが――。







<END>