やっと聞けた。 新川の口から、やっと。 「大好きだよ、矢崎!! 矢崎の真っ直ぐな笑顔も想いも、ぜーんぶ大好きなの!」 瞬間、新川の瞳から大粒の涙が頬をすべった。 大好き。 なんてその言葉は温かく、胸を高鳴らすんだろう。 「なあ、茜。 今度はさ――本当の恋人になろうぜ」 俺は優しく微笑みながら、茜に言った。 今度こそ。 偽りじゃなく、本物になろう。 もうそこには、片思いという関係も利用という言葉も嘘の思いもない。 あるのは、…そう。 真実の純愛だけ――。