明日一番に、要に言おう。
『俺から奪われるなよ?』と。
俺は、先ほどまで茜と手を握っていた手のひらを見つめた。
もう昔には戻れない。
関係は下には戻らない。
明日のことはわからない。
だけど――。
明日、要の隣に茜がいたら笑顔で言おう。
『おめでとう』と。
思い出は変わらない。
俺たちのたった一度の青春は、変えることができない宝物。
俺はギュッと拳を握り、窓の外の空を見上げた。
その空は、雲ひとつない鮮やかな青色だった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…