「ま、よろしく。
 まさか恋人になるなんて思ってなかったけど」



「同感。
 よろしく、彼氏サン」




「こういう関係も、ある意味面白いかもな」


「面白い…?」



 嫌じゃない?普通。

 利用されてるんだよ?


 …って、利用してる側が思ってるのもアレだけど。





「いいじゃん、なんか。
 片思いの延長戦だと思って、頑張るし♪絶対…好きにさせてぇし」





 オレンジ色の光が、ちょうど矢崎の顔に当たって眩しい。


 キラキラと、矢崎の周りが輝いてるように見えた。




 ―トクン…。


 甘い鼓動が、一瞬高鳴ったのを感じた。





「うん。頑張って…」


 どうか私の心を動かして…。





 祈るように、私は微笑みながら言った。