突然の問いかけに私は驚きながらも、首を縦に動かす。


 頷いた私を見て、遥陽は視線を空に移して思い出話をしだした。





「家の近くの公園でさ、昔は一緒に遊んだよな」



 …これって、私の話は、今聞きたくないってことなのかな。


 それなら、今は話を合わせよう。

 私はそう思って、「そうだね」と呟いた。





「そんでさ、超吠える犬がさたまに公園に来てさ」


「そうそう!ワンワンッて犬が吠えた瞬間、遥陽泣いてたもんね」




「犬が吠えて泣くって、案外可愛いだろ?」





 遥陽の調子のいい言葉に、フフッと笑みをこぼした。



「自分で言う?普通」


「ハハハ」



 あ、笑ってごまかされた。





「でさ、泣いてる俺にお前が言った言葉、覚えてるか?」




 昔私が言った言葉…?


 うーん…と思い出そうとしたけど、全然覚えてない。