「は、るひ。あのさ」




 やばい。声震えた。


 そう思ったのと同時に、手が震え始めた。




 傷つけるかもしれない。

 それが頭を過ぎって、言葉がつまった。




 覚悟が、全然できてなかった。



 だけど、言わなきゃいけない。






 これ以上、嘘はつきたくない。







「実はね――」



「俺がさ」






 私の気持ちを言おうとしたとき、わざと遥陽が言葉をかぶせて言った。


 私は「え?」と思わず声を出す。






「昔すんげー泣き虫だったの、覚えてるか?」