――放課後。



 今日サッカー部が休みだと聞いていた私は、遥陽を誘って一緒に帰っていた。


 今日、一回も遥陽と矢崎が一緒にいるところを見かけていない。




 ……私の、せいなのかな。


 それとも、恋愛の…あの四角関係のせいなのかな。




 暗い気持ちが表情に表れ、私の周りだけどんよりとした重い空気になる。


 夕暮れのオレンジが、そんな空気とは裏腹に私を照らす。



 遥陽の隣にいて、実感する。


 やっぱりこの気持ちは――。




 ごめん。ごめんね、遥陽。



 私が勘違いしてたから、こんなにもややこしく、そして皆を切なく悲しくさせてしまった。

 ……全部全部、私の曖昧な気持ちがいけなかったんだ。





 もどかしい距離を保つ私と遥陽。


 横目で遥陽の表情を見つめる。遥陽、どうしたんだろう。



 さっきから何も話さない遥陽を見て、いつ話を切り出そうか迷ってしまう。





 遥陽を傷つけたとしても、昼休みの結月の言ったとおり、皆強いから……だから言えるんだ。言おうと思えるんだ。


 結月からもらった勇気を胸に、私は静かに深呼吸をしてから「よし…言おう」と心の中で呟いた。