あたしは茜に優しい笑みを向け、あたしの願いを言った。


 きっとあたしたち四人の中で、一番辛い想いをしたのは……茜だ。




 茜は今まで、自分の想いを犠牲にしてあたしを応援してくれた。


 あたしは何度も茜を傷つけ、何度も八つ当たりした。



 ごめんね、茜。

 ありがとう、茜。




 茜の辛さや苦しみや痛みや涙は、あたしにはわからない。


 きっと何度「ごめん」と言っても、償えないような気がする。



 でも茜は優しいから、あたしを許してくれた。

 逆に謝ってくれた。





 茜、あたしね。

 茜の優しいところ、大好きだよ――。



 だからね、あたしの失恋なんて気にせずに

 眞田くんの片思いも気にしないで




 自分の恋だけを、見つめてね。







「……結月、ありがとう」







 茜はふわりと目尻に溜まった涙を拭きながら、太陽のような優しい光みたいに微笑んだ。