「茜、…大丈夫だよ。眞田くんも矢崎くんも、ありのままの茜の気持ちを受け止めてくれる」
「でも……」
「たとえその気持ちで傷つけたとしても、大丈夫」
だって、そうでしょう?
もうみんな、複雑に絡み合ったばかりの関係だったあの頃のあたしたちじゃない。
「みんな、…一人一人が強くなったんだから。傷ついても、苦しんでも、乗り越えられるよ」
そう信じよ?茜。
あたしたちは、こじれた四角関係の恋愛を通して強くなっていったんだ。
苦い想いも甘い感情も、
しびれるような気持ちも増える傷も、
戸惑う勇気も消えかけた希望も、
もろくて弱い心も涙あふれる辛さも、
届きそうなもどかしさも優しい温もりも、
全部全部、小さな恋から始まったこの関係が、教えてくれたんだ。
「茜」
もうそんな辛そうに笑わないで?
大好きな人の隣で、満面の笑みを見せてよ。
「幸せになってね」



