そしてランチしにやってきたのは、屋上。


 今日は少し風が強く肌寒いからか、屋上には誰ひとりいなかった。




「……あのさ」




 お弁当を広げ、卵焼きを食べようとしたとき。


 茜が口を開いた。




 責められるのかな?


 『私の気持ち知ってたんだね。…なのに最低だよ』とか言われたりしちゃうのかな。



 ――ううん。





「ごめんね」





 ……茜が、そんなこと言うはずない。



 中学のころ友達から責められたことのある茜が、…優しい茜が、あたしを責めるはずないじゃない。





「私のせいで、私が遥陽のこと好きだったせいで、辛い想いさせてごめんね」





 ほら。…茜はこういう子なんだよ。


 茜はいつだって優しかった。