漫画をよく読む私は、そんなことを言ってしまった。



「えぇ、なにそれぇ」


 ふふっ、とお上品に結月が笑う。




 だ、だってさ…

 そうでも言わなきゃ、信じてくれないでしょ?


 今だって信じてくれてるかわかんないけどさ。







「――茜はさ、本当の本当の本当に眞田くんのこと…」


「好きじゃないよ。私にとって本当の本当の本当に遥陽は幼馴染だから。
 恋とか…そんな感情一切ないよ」







 疑い深く…いや、心配性なだけかもしれない結月が、眉を下げて聞いてきた。


 私は結月の言葉を遮って、真っ直ぐ結月を見て言う。




 今は恋愛感情あるけど、きっとこれからどんどん…なくなってく。


 私の勘が、そう言ってる気がするんだ。





「そっか…。ごめんね、何度も」


「ううん。そりゃ心配になるって。幼馴染って関係気になるもんね。
 でも、こう考えたら?幼馴染じゃなくて、“腐れ縁”って」




 幼馴染って、漫画ではよく恋に落ちるけど…実際現実では、あんまりいいもんじゃないんだよ。





 一緒にいた時間が長すぎて、手を伸ばせば届きそうで、


 いつも、どこか遠くへ行かないか心配になって不安になるんだ。