結月と遥陽。


 私と矢崎。




 夏休み、一体どんな関係に変わってるんだろう。




 歯車は着々と進み、狂い始めている。


 誰もが傷を負った心の中で、何か不思議な予感をよぎらせた。





 夏休み、きっと何かが起こる――。


 そんな予感が、ふわりと風がそよぐようにすぐ消えてなくなった。












 ――蝉がなく暑い日。今日から夏休みです。




「あれ、矢崎からメール来てる」



 夏休み初日は、お昼頃まで爆睡してしまった私。


 メールが届いたのは、朝の7時頃だった。





《今から部活。こんな暑い日に部活って…まじやる気なくすわー。

 あ、デートさ、水族館とかどう?》





 今週の土曜日にデートする。その日はサッカー部がオフなんだって。