「あぁ、なるほどね~。でもあたしは、直接話すのは緊張するな…」



「嘘だー。だって結月、遥陽と話すときいつもニコニコ笑顔じゃん」



「だってそれは……う、嬉しいから」





 一瞬にして頬を赤く染めてギュッとスマホを握り締める結月。


 可愛い結月に戻った。



 結月の異変がなくなればいいのに。

 このまま花みたいにふわふわした可愛い結月が、好きなんだけどな…。





 そのまんまの結月が好き。


 “親友”の結月が好き。



 いつもと違う結月は……恐い。







「茜が羨ましいなぁ。緊張せずに話せるんだもん」


「そりゃ彼氏ですから」


「彼氏でも緊張する人はいるんだよー??」


「私は緊張しない人なのーっ」





 こういうやり取りって、楽しい。思わず笑っちゃう。


 雰囲気が和んで、穏やかな空気になるの。




 結月は変わらないほうがいい。変わらないままの結月をきっと遥陽は好きになる。…いつかは、きっと。


 あくまで私の予想。…ううん、――願い。