――アイスを食べ終えたあと、私たちは遊園地を出て家へと帰った。




 帰り道には気まずさはもうなく、皆、喋って笑って…楽しく帰っていた。






 でも…ほんの少しだけ


 四人の関係が崩れた気がした。




 少しだけ、本当に一ミリ程度だけど、崩れたのは大きな進歩で。






 そのことにまだ気づいていない私たちは、これからどうやって変わっていくのか…不安を抱えていた。





 矢崎の素直な想いと


 私の抱える悩みと


 結月の一途な気持ちと


 遥陽の届かない心と



 四人の“片思い”の関係が






 ややこしく絡まり合って、さらに複雑になることを今は知らない――。







 帰り道の夕焼け空が、儚く寂しく私たちの影を見ていた。