ドアが閉まらないように、オレがとった行動は―…


力を込めた両手でドアを押さえることだった。




……これ…結構、きついぞ。


サッカーって…足ばっか使ってるから…


正直、腕の筋肉にはあんまり自信がないオレ。



目の前の小夏は眉を垂れ下げて不安そうな表情を浮かべていた。


今にも泣き出してしまいそうな顔でオレを止めようとする。



……バーカ。


オレより年上のくせに泣き虫で。


いつも泣きそうな顔してるくせに、何事もなかったようにへらへら笑う。



そんなとこがムカつくんだって。


―…でも、オレは小夏のそんなとこが好きなんだって。


完全に惚れた弱みってヤツだ。



だから泣くな…


ちゃんと笑え?




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