『大人の威厳』? 『年上の余裕』? ―…そんなの関係ない。 今の私には必要ない。 霞む視界の中で ボーッとする意識の中で 私が最後に見たのは、自転車に跨がる七世の姿。 ぶっきらぼうな態度で 言葉も交わさないけど 七世は静かに、私が後ろに乗るのを待ってる。 そんな素っ気ない優しさに思わず涙が出そうになった。 .