後ろから聞こえた声。 ん? この声、どこかで・・・。 声の主を見るために、後ろを振り向く。 順位表を見ながら溜息をつく男の子。 ぼさぼさの寝癖らしい黒い髪。 顔を隠す長い前髪と黒縁眼鏡。 あっ・・・! 「・・・あれ?あなたは・・・」 保健室で会った子だ。 「お久しぶりです。 この間はありがとうございました」 「あ・・・いえ。たまたま通りかかったものですから」