彼は痛そうに顔をしかめながら、自分の体を起こす。



「あなたが僕のことをここまで連れてきてくれたんですか?」



「は、はい」



「ありがとうございます。
でも、僕は大丈夫なので。
帰ります」



 はい?




 驚く私を見た彼は、ベッドから降りる。



 ・・・が。




「・・・ツツッ」




 ベッドの横にしゃがみこむ。



「ちょっ・・・まだ安静にしていないと!」




「いえ・・・だ、大丈夫です」




 声は少し明るいけど、呼吸が荒い。



 よっぽど痛いんだ。