ベッドを囲むカーテンをこっそり開ける。
寝転がっているので、起きているのかはわからない。
足音がしないようゆっくり近づく。
「あの・・・大丈夫ですか?」
声をかけてみると、ゆっくりと眼鏡の奥にある目が開いた。
「・・・ここ・・・・どこですか・・・・?」
眠そうな声で聞かれる。
「学校の保健室です・・・。
あ、あなた2号館の廊下に倒れていて・・・」
「倒れた・・・?」
記憶にないのか?
「寺内遼平や上田風真にカツアゲされていたんですよ・・・?
覚えていませんか・・・?」
「・・・あぁ・・・そう言われると、そういうこと、
ありましたね・・・」
随分他人事だな。
自分のことなのに。


