「理由?それ聞いちゃう?」


「はい。聞いちゃいます」



 しょーがないなー。


 教えてあげるよー。




「私、本当に優斗くんと出会って変われたの。
優斗くんのような境遇の人に、幸せになってもらいたいなぁって考えるようになれたの」


「僕のような境遇の人?」



「うん。
縁切られちゃったとか、虐待の被害者とか、いじめにあっているような人。
保健の先生やカウンセラーの先生なら、きっと役に立てるだろうなぁ・・・って思ったの」



「・・・日下さん・・・・・・」



「私が将来の夢を決められたのは、全て優斗くんのお蔭。
ありがとう、優斗くん。

私、優斗くんのこと、大好きです」



「日下さん・・・ありがとうございます。

僕も、日下さんのこと、大好きです」




 私たちは、そのあと笑いあった。














 この光景を、私はずっと夢見ていたんだ。


 水門くんと、最高の笑顔で笑いあえる日を。