☆☆☆



「驚きましたよ。日下さんいるなんて思いませんでしたから」



 ハハハッと楽しそうに笑う優斗くん。



「笑わないでよぉ・・・」


「別に良いじゃないですか」



 まだ笑う優斗くんを見ながら、私は運ばれてきたオレンジジュースに口をつけた。



 ここは、空港内の小さな喫茶店。



 人が少ないから、ここに入ろうと決めた。



「学校、大丈夫なんですか?」



「大丈夫・・・じゃないかも」



「よくサボりますねぇ。
良いですよ、また今度勉強教えます」



「本当!?ありがとう、優斗くん」



「・・・あの、どうしていきなり呼び方が変わったんですか?
前、僕のことは名字で呼んでいましたよね?」



「んーと・・・なんでだろ?」



「無意識だったって言うことで捉えておきます」



 呆れたように溜息をついた優斗くんだけど、その顔は凄く優しい。