2人のユウト





「ご挨拶程度です。
よろしいですか?」



 訳のわからぬまま。


 私はオッケーを出した。



「良いんですか!?
今、ご両親とも下にいらっしゃるんですか?」



「いるよ」



「じゃあ、行ってきます。
ご挨拶程度何で、日下さんは部屋にいてください。
来ちゃ駄目ですよ?」



 まるで鶴の恩返しみたい。



「それじゃあ」



 水門くんはそう言うと、部屋を出て行った。


 ・・・おいおい。


 気になるじゃんかよぉ!




 ご挨拶程度なのに、どうして来ちゃ駄目なの?



 矛盾してませんか?






 ・・・鶴の恩返しは、覗いたら全て終わってしまったけど。


 ここは現実の世界。



 終わるということは、ない。