私はお母さんに言われた通り、水門くんを部屋へと案内した後、下へ行って、お母さんが用意してくれたお菓子とお茶を持ち、再び部屋へ戻った。



「汚いでしょう?」


「いえ。日下さんらしい部屋で、良いと思いますよ」



「そう?」



「僕の評価なんて気にしないでください。
日下さんがゆっくり出来る部屋なら、それで良いじゃないですか」



 相変わらず優しいなー。


 私はにこりと笑った後、水門くんに気になっていた疑問をぶつけた。



「いきなりどうしたの?」



 送ってもらったことはあるから、家を知っているのはわかっている。


 でも、どうしていきなり?



「特に大した理由はないです。
ただ、お礼を言いに来たんです」



「お礼?」



「はい。
日下さん、この間はありがとうございました。
日下さんのお蔭で、僕は美夏と和解することが出来ました。
感謝しています。
僕も、美夏も」



 それだけのために!?


 わざわざ来てくれたなんて・・・。



「そんなの気にしなくて良いのに」