素早く日下さんや峯長くんから別れて、僕は校長室へ向かう。


 行っても、意味ないのに。



 嘘じゃないんだから。






 でも、心のどこかで信じているんだ。


 嘘じゃないって。



 馬鹿みたいに。





「失礼します」


「・・・優斗か。
何の用だ。
入らない決まりだろう」



 僕は無視して、手紙を机に置いた。



「・・・先ほど、担任から渡されました」



「そうか、届いたか」




「ご存知だったんですか?」



「勿論だとも。
わたしはお前の父親だからな。
わたしに知らせないで行くのは許さん」



 ・・・まぁ、そうだろうな。