2人のユウト





 学校にいるときは行かないという決まりがある。


 守らないと、また・・・・・・。






 でも、今はそんなことを考える暇はない。



 なるべく早く歩いて、校長室へ向かう。



 理事長と言われることが多いけど、実際は校長としてこの学校にいるからね。



 滅多に生徒の前に現れない人間嫌いの人だから、理事長と勘違いされる場合が多い。




 ・・・急いでいたのがいけなかった。




ドンッ



 誰かにぶつかる。



「あっ、すいません」



 この声は・・・。



 顔を上げると、思った通り峯長くんだった。



 特に話したことはないけれど。



 寺内くんや上田くんと仲が良い、影のリーダーみたいな人。



 多分、この切れ長の瞳に、誰も敵わないのだろう。