2人のユウト





 にこっと、水門が笑う。


 その笑顔が、なんだかぎこちなく見えた。



「どこ行くんだよ。
その用事、さっさと済ませろ。
一緒に幸菜を探すぞ」



「・・・良いんです。
用事は、いつでも済ませられます。
日下さんを探すのは、今しかないでしょう?」



「・・・そうか。
じゃ、行くか」



「日下さん、どうしたんですか?」



「女に連れてかれた。
場所はわからない」



「女子に連れてかれたのなら、場所は決まってます。
人目につかない所が多いですよ」



「・・・詳しいな」



「え?峯長くん知らないんですか?」



 ・・・かちん。



「知らねぇよ俺は」



「意外ですね。
僕よりも知っていそうです」



「悪かったな知らなくて。
俺はお前が知っている方が意外だけどな」