2人のユウト




「ううん、何も用はないの」


「そうですか?
じゃあ、僕はこれで」



 すたすたと、あっけなく行ってしまう水門くん。



 ・・・あんな、あっけない人だっけ?



「どうした幸菜。
好きな人がいなくなるのは寂しいか?」



「え!?」



 いきなり言うんですか!



「ん?だって好きなんだろ優斗のこと」



「好きってわけじゃ・・・。
でも、わからないの・・・・・」


 水門くんのことも、勇都くんのこともどう思っているか。


 好きだけど、それは間違いじゃないけれど。



 それは本当に恋愛対象の好きなのか。




 友達と恋愛の好きの違いがわからないの。




「俺は幸菜のこと、好きだよ。
勿論、恋愛として」



 ・・・勇都くん・・・・・。



「幸菜の気持ちはなんだ?
俺より優斗が、水門が好きか?」