「舞原神楽は面白いと言ってくれたわ。
確かに、3作目は面白かったわ。
ユキにしては珍しい恋愛小説だから、読者の期待も大きいわ。
でもね、中身がいまいちなのよ。
ユキの恋愛小説は。
リアルじゃないわ」
リアルって・・・。
「そんなおとぎ話みたいな恋愛小説なんて、誰も好まないわ。
現に今、3作目は1作目2作目より人気がないわ。
ネット上ではユキはもう終わりなのかって言う意見もあるの」
ユキはもう終わり!?
勝手に人のこと終わらせないでよ!
「ユキは1作目2作目が爆発的に売れたの。
だからユキは誰からも指示されるケータイ小説家になれたの。
その代償に、ユキはこれからも読者の期待を背負って行かなくてはいけない。
読者の期待を裏切る結果を出してはいけないわ。
ユキの今回の小説は読者の期待を少しだけ裏切った結果になったの。
読者が楽しみにしていた恋愛小説。
それがあんなおとぎ話みたいな作品なんだもの。
読者が終わりなのかと考えるのもわかるわ。
ユキが次の作品のテーマを恋愛にするのは良いわ。
でも、ユキの期待を完全に落とす作品になるかもしれない。
それでもユキは恋愛小説を書くの?
自信がないのなら、1作目2作目同様、友情作品を書きなさい。
ユキにはそっちの方が似合うもの」
私に、恋愛小説は無理・・・?
読者の期待を落としてしまうの・・・?
「どうしても恋愛小説を書きたいのなら、リアリティを出しなさい。
あんな夢の中での話よりね」
そう言い放った灯さんは、行ってしまった。


