「・・・はい・・・・そうです・・・」
認めるしかないでしょーこの展開は。
「そうなんですか・・・」
ん?何この表情は。
何とも言えない不思議な表情だな・・・。
私のこと、ユキだって、知ってたの・・・?
「ごめん。お兄ちゃん、幸菜。
あたし、もう行かなくちゃ」
そう呟いた美夏は、ダッと駆け寄り、水門くんに抱きついた。
「また、会いたいんだけど、良いかな?
勿論、お父様とお母様はいないから」
ねだるような瞳を水門くんに向ける。
・・・が。
「無理。もう僕は、美夏に会えない」
水門くんは考えられないほど アッサリと、美夏を離した。
「じゃあ」
この上ないんじゃないかと思うほど冷たい視線を向けた水門くんは、校舎に向かって行ってしまった。
突き放された美夏は、両手で顔を覆いながら、俯いてしまった。


