2人のユウト





「日下さん・・・」


「ごめんね水門くん、勝手なことして。
でも、美夏に会わせるべきだと思ったの。

さっき水門くん言ったよね?
我が儘言っても良いって。

だから言ったの。
私なりの我が儘を」



 ごめんね、水門くん。


 会わせるべきじゃないって思ったけどね。



 美夏は会いたがっているから。



 だから、会わせたの。




「お兄ちゃん。
幸菜は悪くないの。
あたしが会いたいって幸菜に言ったんだもの」


「・・・美夏は、どこで日下さんと会ったの?」



 あ!マズいぞこの質問は!



「お兄ちゃん知らないの?
幸菜ね、あのケータイ小説家・ユキなんだよ?」



 あー!暴露しちゃった!



「えっ・・・?」




 水門くんは驚いた顔で振り向いた。



「そうなんですか・・・?」