☆幸菜side☆
私は水門くんの腕を引きながら、校門へ向かう。
ごめんね、水門くん。
私、今から凄く最低なことします。
でも、彼女がそう願っているから。
ごめんなさい。
水門くんの辛い顔は見せないと決めたのに。
見ることになるなんてね。
「ほら・・・あそこにいるよ」
「・・・えっ・・・・・・?」
やはり、顔が驚きに染まっていく。
そして、どんどん哀しげな表情を作る。
しかし、彼とは正反対に、彼女は笑顔を浮かべながら泣き始める。
いや、当たり前だろう。
2年ぶりの再会なのだから。
「お兄ちゃん・・・」
「美夏・・・」


