2人のユウト





 だからいつも通り、携帯電話を閉じる。




 僕は正真正銘、舞原美夏と血の繋がった兄だ。


 美夏の両親は、僕をそう思ってはいないけど。





「・・・水門くん!」



 後ろから、何かに抱きつかれる。



 その声は・・・。



「日下さん!?」



 後ろを向きたくても、向けない。


 この状況じゃ・・・。







 って日下さん、何してんだよっ!


 こんな僕になんて抱きついて。



「日下さん!どうしたんですか?」


「うぅ~・・・」



 いや、それじゃわからないよ。


 僕、エスパーじゃありませんから。



「私、虫嫌いなの~!」