2人のユウト






☆優斗side☆



 僕は静かに、そっと図書室の扉をしめた。


 思い出しそうになった過去を、再び固く閉ざされた箱の中にしまうために。


 



 僕は教室へ向かうために廊下を歩いていた。


 歩くたび、昨日お義父さんに殴られた足が痛む。


 派手に殴ったものだなぁ・・・。


 まぁ、慣れたけど。





ブーブーブー



 ポケットに仕舞った携帯電話のマナーモードが響く。


 一体、誰だろう。



【舞原美夏】



 美夏・・・。


 僕は立ち止まって、メールを開く。



【お兄ちゃん。
 元気ですか?

 たまには連絡ください。
 お兄ちゃんに会いたいよ】



 僕は2年前から美夏から何度もメールをもらっているが、1回も返事をしたことない。