「会ったんだよ、たまたま」
「舞原の令嬢と軽々と会えるわけないですよ。
美夏専用の執事・椎葉さんもいますしね」
どうして椎葉さんのことまで・・・。
「美夏を命に代えても守るほど大切に思っている椎葉さんが、美夏を勝手に歩かせるわけありません。
どうして日下さんは簡単に椎葉さんの作る網を乗り越えたんですか?
どうしてですか?答えてください!」
ガシッと肩を掴まれる。
ちょっ、ちょっ、肩!
何いきなり掴んでんのじゃー!
「・・・あ、ごめんなさい。
いきなりっ・・・」
「良いんだけど・・・。
あの・・・どうして美夏のこと知っているのですか・・・?」
思わず敬語になってしまう。
ガタッと立ち上がった水門くんは、ゆっくりと入り口に向かう。
「水門くんっ・・・?」
「美夏は・・・」
「僕の、妹です」


