「幸菜。そこまでにしろ」



 え?



「良いから来い」



 何故かポカーンッとしている女の子たちを振り切り、勇都くんは私の手を掴んで走り出す。



 向かう先は、勿論屋上。



「勇都くん!?」


「てめぇ、馬鹿かよ!」



 馬鹿!?


 確かに勇都くんよりは馬鹿ですよ?



 勇都くん学年2位の成績保持者ですものね。




「何言ってんだよ!後先考えずにさ!!」



 どうしてそこまで私は怒られる?



「もしやてめぇ、自分のしたことわかってねぇのか?」



「・・・何のこと?」



「お前、心ン中で思っていたこと、全部口に出ていたぞ!」




 ・・・え?



 どういうこと?