「そんなの、わからないじゃない?
あたしもユキも、未来はわからないわ。
どっちに気持ちが転がるかなんてわからない。
こっちにすれば、なんて軽いことは言えないわ。
あたしにはあたしの好きな人がいるし、ユキにも好きな人がいる。
人の好みなんて完全にわかる人はいないと思うわ。
どっちに好きを与えるかなんて悩む必要ないわ。
早くして焦れば焦るほど失敗するわ。
時間なんてあるんだから、落ち着いて自分と向き合って結果を出せば良いじゃない」
灯さん・・・。
大人な発言だなぁ。
「でも人間いつ死ぬかわからないじゃないですか?」
「馬鹿ねぇユキは」
馬鹿!?
いや、確かに馬鹿ですけど。
「さっきも言ったけど、人の未来なんて占い師や超能力者でもない限りわからないわ。
今ここで死ぬかもしれないわ。
100歳まで生きるかもしれないわ。
焦る必要はないの。
ゆっくり落ち着きなさい。
ユキには落ち着きが足りないわ。
落ち着けば、自然と道は見えるかもしれないのに。
もしかしたら水門くんを好きになるかもしれない。
勇都くんという人を好きになるかもしれない。
別の誰かに恋をするかもしれない。
そんなことは誰にも予想出来ない。
大事なことは、今を生きることよ。
後悔しないように、頑張って」


