携帯電話を置いて、そっと俯く。 ブーブーブー え? 私は慌てて携帯電話を開く。 「もしもし!?」 『ユキ?何しているの? 早く出版社来なさい。 会わせたい人がいるってメールしたでしょ?』 「え? 今日ですか?」 『そうよ?』 「まだ明日じゃないですよ?」 『はぁ?何言っているの? もう時間なのよ?』 「時間?」 『とぼけてんのユキは。 良いから何も言わずに来なさい』 「もう遅いですから、電車ないですよ」 『はぁ!? あのね、ユキ。 今は朝の8時よ?』