勇都くんが、電話の相手に灯さんのことを調べてもらえるよう頼んでいたのだ。
どうして勇都くんが?
疑問に感じた私が出した答えは、勇都くん=勇子という方程式だ。
ライバルのことを調べるのは当然。
勇都くんは確かにそう言っていた。
ライバルは、私が話した内容からして、ユキのことだろう。
どうして勇都くんが私のことをライバルというのか。
答えは簡単に導けた。
勇都くんが勇子だからだ。
だからライバルである私を落とそうとしているのね。
でも、信じられないな・・・。
勇都くんが勇子なんて。
私も前に灯さんに薦められて、勇子の小説を読んだ。
そして私は、感動した。
読んだのは、勇子が話題になった【MOMO】(もも)という小説だ。
勇子の親友だというある少女の人生を描いたものだ。
勇子はどこの誰なのかは明かされていないが、高校生だということは勇子のプロフィールで明かされているので、
高校生の天才ケータイ小説家現る、と多くのメディアで報道され、人気になった。


