「どうして前髪上げないの?
上げた方がかっこいいと思うけど」



 あ、そこ聞く?


 気になるよねぇ。






 まぁ、これぐらいなら話しても良いかな。




「大した理由じゃないです。
僕、中学の頃は前髪上げていました。
コンタクトも使っていました」



「そうなの?
好きな人でもいたの?」



「好きな人!?
いませんよ、僕になんて。
彼女いたことありませんし!!」



 彼女って言うか、人間嫌いだった時期もありましたし。


 ・・・ま、言わないけど。




「じゃあどうして?」



「・・・何ででしょうね。
それは僕も理由はわかりません」



 これは本当、事実です。



「そうなんだ・・・。
続き、話してもらえる?」