2人のユウト





「・・・ねぇ水門くん。
お願いがあるんだけど」


「え?な、なんですか?」



 変なこと聞かれないと良いけど。


 そういえばさっき、驚いたな。


 まさかあの男たちが僕を知っていたとは。


 僕は全く彼らを知らないけど。


 まぁ出会った人が多すぎる。


 彼らは意外に高そうな装飾品をつけていたから。


 ああいう感じの人なんだろう。


 なら、どこかで僕と会っていたのかもしれない。



 小さすぎて覚えていないかも。




「その長い前髪、上げてくれない?」



「・・・え!?」



 思わず変な声出ちゃったじゃん。


 少し恥ずかしい。



「水門くんでもそんな声出すんだねー」


「まぁ・・・はい。
あんまり出しませんけど」



 滅多に感情も出さないしね。