2人のユウト




「何言ってんだよ。
早くその男やっつけろよ」



 退屈になったのか催促する私の隣にいるチャラ男さん。




「ほらほら、あそこの息子だよな?
どこって言ってたっけな・・・」



 首を傾げて考えるチャラ男。


 隣のチャラ男はイライラしっぱなしなのをお忘れですかね?



「・・・思い出した!
あそこだあそこ!」



 どこだろう?



「まっ「それ以上言わないでくれますか?」




 叫ぼうとしたチャラ男の声を遮った水門くん。


 さっきよりも冷たく、低い声だ。



「何でだよ。
お前、まっ」


「言わないでください!!」



 ・・・あ。


 この言い方、知ってる。





 水門くんの、触れてはいけない部分だ。